From Chef
世界最小のパスタ、スムールとピリ辛シチューの名コンビ
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クスクス
当店の定番人気メニュー「クスクス」を、今年の夏はビアテラスにて、小皿ポーションで提供しています。まだ召し上がったことがない方は、まず小皿で試してみてはいかがでしょうか?

クスクスは元々、北アフリカのマグレブ諸国の料理ですが、フランスの保護領であったことや、フランスへの移民者が多いことによって、パリなどで大変ポピュラーな料理となっています。僕もパリでの修業時代、お腹がすくと、アラブ人が経営するレストランでクスクスを食べた思い出があります。お金がなかったので単品だけの注文でしたが、ボリュームがあって、腹持ちが良かったですね。

粒々の雑穀のようなものは、デュラム小麦粉が原料で、ごくごく小さな玉状にして、蒸して乾燥させた、いわば世界最小のパスタ。「スムール」というのですが、これ自体がクスクスとも呼ばれています。スムールは、お湯をかけ蒸らしてもどします。細かく切った野菜やミント、赤ワインヴィネガーと混ぜたサラダ仕立ての「タブレ」にしても美味しいですよね。

料理名としてのクスクスは、スムールにシチューをかけて食べるものを指します。その可愛らしい語源はアラビア語にあり、丸められたものを意味するとか、シチューを蒸している時の音からなど諸説あるそうです。煮込む具材は、仔羊や鶏肉、野菜、豆など。
魚のクスクスもあります。当店のレシピは、仔羊肩肉と鶏手羽元をクミンやパプリカ、コリアンダー、にんにくなど多種類のスパイスで1日マリネし、焼き色をつけて、玉ネギやニンジン、トマトベーストなどともに水で煮込みます。ガルバンゾーや、大根、セロリ、赤・黄ピーマン、ズッキーニ、インゲンなど野菜もたっぷり。通常は、唐辛子のペースト「アリサ」を別に添えて、お客様のお好みで混ぜながら召し上がっていただきますが、ビアテラスでは、ビールとの相性や、より手軽に食べられるよう、先にスーブに溶かし込んであります。

モロッコでは、安息日(金曜日)の昼食や断食明けに、あるいは冠婚葬祭の食事としてもクスクスが欠かせないそうです。暑い国で食べられている料理であり、アリサのピリ辛効果も加わって、暑気払いにぴったりの1品ですよ。



星野 直寛 星野 直寛(ほしの なおひろ)
1971年生まれ、群馬県出身。
‘89年、高崎ビューホテルより料理の道に入る。
‘96年より坂井宏行氏の「ラ・ロシェル」を皮切りに都内のレストランで修業。
‘99年表参道「オン・ザ・スプーン」、’02年「ル・プチ・リュタン」などでシェフを務めた後、’08年に渡仏。クリスチャン・コンスタン氏の「ル・ヴィオロン・ダルグル」をはじめ、数々のレストランにて働く。
’10年11月よりadding:blueシェフに就任。
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