From Chef
蝦夷豚を使った、滋味あふれるココット料理
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ポテ

 日本でもすでに知られているフランスの煮込み料理の定番「ポ・ト・フー」(Pot au feu)。Potは鍋、feuは火を意味します。牛肉あるいは鶏肉を、ニンジン、玉ネギ、かぶ、ポ ワローなどとともに水で煮込んだシンプルなココット(鍋)料理です。「ポテ」(Pot仔)もやはり鍋を意味しポ・ト・フーと同じような料理ですが、豚肉の塩漬けとソーセージ類、キャベツやジャガイモが入るのが特徴。また、地方によっては多少、具材が変 化します。ポテという言葉の響きはどこか可愛らしく、いかにも温かみのある料理をイメージさせますよね。

 当店のポテには、プティ・サレ、ソーセージ、豚舌、豚足と野菜 各種を入れています。プティ・サレとは1週間ほど塩漬けにした豚バラ肉のことで、レンズ豆と煮込みにしたり、焼いても美味しい、応用のきく素材です。プティ・サレに使用している豚肉は蝦夷豚。北海道の十勝の広大な農場で放牧され、1年かけて200kgになるまで育てられるそうです。普通の豚は約200日で110kgくらいですから、蝦夷豚はとても大きいですね。これを半頭で仕入れ、各部位をさまざまな料理に活用しています。東京で取り扱っているレストランはまだ少ない、貴重な肉。赤身がしっかりした味で、皮つきであるのも美味しさの所以です。

 肉類を下ゆでした煮汁をベースに、コンソメを加えて味をととのえ、これに小玉ネギ、ニンジン、インカのめざめ(ジャガイモ)、かぶ、キャベツ、芽キャベツなどの野菜を入れて弱火でコトコト煮ます。やわらかくなったら、再び肉類をもどし温めて仕上げます。あまり煮すぎると、煮汁に素材の旨味がすべて流れ出てしまうので、その加減を見極めるのが調理の重要ポイント。

 素材の持ち味が生きた素朴な料理で、例えば風邪気味で体調がすぐれない、食欲がない、そんな時でも、いえ、むしろそんな時こそ食べていただきたい癒し系料理といえるでしょう。



小林 邦臣 小林 邦臣
1973年生まれ。
ザ・ホテルヨコハマ、レ・サヴール(日比谷)等を経て’99年渡仏。
アンフィクレス(パリ)、ル・ソントネール(ペリゴール)で経験を積んだ後帰国、レ・サンス(スーシェフ)、ル・ジャルダン・デ・サンス、ラール(シェフ)を経てアディング・ブルーへ。
2008年、アディング・ブルーのシェフに就任。
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