From Chef
夏の魚料理はプロヴァンス伝統のソースで
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メジマグロのグリエ

 プロヴァンスがブームとなったのはかれこれ10年以上前ですが、この地方の豊かな自然や文化は今もなお私たちを魅了し続けています。野菜、魚介、柑橘類、ハーブ、オリーブオイルなどで構成される料理は、日本人の嗜好にとてもよく合いますから、もはやブームではなくベーシックとして欠かせない、と言えるのではないでしょうか。
 adding:blueでは、夏場は特に南仏料理を多く提供しています。その中の1品「メジマグロのグリエ」をご紹介しましょう。マグロと言えば、やはり思い浮かぶのは最高級マグロのクロマグロ。“マグロの中のマグロ”ということでホンマグロとも呼ばれます。このクロマグロの若魚がメジマグロです。成魚ほどの脂はありませんが、やわらかい身質を生かして火を入れると、上品な味わいが堪能できます。
 まず、メジマグロはグリエする前に、オリーブオイル、にんにく、ローズマリーで2日間マリネ。こうすることで味をつけるのはむろんのこと、焼いた際にふっくらやわらかに仕上がるのです。そして、この料理の要となるのが南仏伝統のライトソースです。ライトと言っても軽い(Light)という意味ではなく、raÏtという現地の言葉です。トマトとにんにく、エシャロット、バジル、赤ワイン、クルミを煮て裏漉し、仕上げにオリーブとケイパーを加えたソース。トマトだけを煮詰めたソースと違って色調はちょっと暗めですが、深みがあって後を引く美味しさ。つけ合わせのムール貝やアサリともよく合います。冷えた白ワインやヴァン・ムスーなど共にテラスで食べるのが最高ですね。
 ちなみにオリーブオイルは料理によって使い分けており、プロヴァンス料理には地元サン・レミ産のアグランドー種という単一オリーブで作られた、ノンフィルター(ろ過しない)タイプのものが気に入って使っています。青草のような香りがして、フレッシュな夏らしい味を表現するのにぴったり。現地では、生のムール貝にオリーブオイルをかけて食べたりするんですよ。



長澤 宜久 長澤 宜久
1965年生まれ。
'91年に渡仏。二ツ星「ラ・マドレーヌ」、三ツ星「ラ・コートドール」他、数々の星つきレストランからブラッスリー 、カフェまで多くのフランス各地方の名店にて経験を積む。帰国後、'97年より国内のレストランでキャリアを重ね、2001年に港区 ・南青山の「アディング・ブルー」のシェフに就任。「特別の日に行くフランス料理店ではない、普段使いが出来る料理店」をコン セプトに素朴なフランス料理の数々に多くのファンが訪れている。2007年、千代田区・丸の内「resonance」グランシェフに就任。
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