From Chef
愛しい我が子を慈しむ感覚で作ります 自家製パンとエシレバター
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自家製パンとエシレバター

 ほら、どうです、僕の子供たち、美味しそうでしう。え? いや、もちろん、本当の子供じゃないですよ。adding:blueで焼いているパンのことです。
 粉、イースト、水のシンプルな材料、そして生地をまとめて発酵させ丸めて焼くというシンプルな工程、しかしだからこそ、気温や湿度、時間、そして手加減などによって、仕上がりに影響してくる。それがおもしろくもあり、きわめようと思うと奥が深く難しくなってくる“パンの世界”なのです。愛情を込めて、と言うとちょっと気恥ずかしいですが、「今、この生地はどんな状態にあるのかな」と観察したり、急かさずゆっくり成長(発酵)させる、やわらかい生地をつぶさないようやさしく丸める等、我が子を大切に育てるような感覚で作るのが、美味しさのコツだと思っています。毎日スタッフが交代で作っているのですが、例えば生地を丸めている時、僕は彼らに声をかけるんです、「子供たちをちゃんとかわいがってる?」と。ま、そうは言うものの、実生活では僕、未婚で子供もいないんですけどね(笑)。
 addin:blueの店内には、大きな平窯(オーブン)があります。特にお菓子を焼くのに優れた窯で、パンももちろんこれで焼いています。焼き上がったパンを窯から出す時の喜びは、まさに我が子の晴れ姿を見るかのよう。店中にいい香りが広がり、幸せな気分にさせてくれます。
 パン三兄弟をご紹介しましょう。粉1kg分の大きな塊で焼くのはフォカッチャ。オリーブオイル、パルメザン、ローズマリーをトッピングしたイタリアーノで、パン自体に味がついているので、シンプルな料理に合います。ライ麦粉と天然酵母を使用するパン・ド・カンパーニュは、かむほどに独特の旨味が口中に広がります。一口サイズのパン・ブランはどなたにも好まれるプレーンなタイプ。エシレバターをつけてどうぞ。ただし、パンばかり食べすぎてお腹を膨らまさないでくださいね、大切な子供たちだけれど、あくまで料理の脇役なので。



小林 邦臣 小林 邦臣
1973年生まれ。
ザ・ホテルヨコハマ、レ・サヴール(日比谷)等を経て’99年渡仏。
アンフィクレス(パリ)、ル・ソントネール(ペリゴール)で経験を積んだ後帰国、レ・サンス(スーシェフ)、ル・ジャルダン・デ・サンス、ラール(シェフ)を経てアディング・ブルーへ。
2008年、アディング・ブルーのシェフに就任。
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