From Chef
香りと旨味を閉じ込めたリッチな味わい パイ包み焼き
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パイ包み焼き
 パイ生地(フイユータジュ)といえば、ミルフィーユを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。最近では、新年のお祝い菓子であるガレット・ デ・ロワもポピュラーになりつつありますね。粉の生地にバターの塊をのせて包み、のばしては折るという作業をくり返すことで、独特な層が形成されるパイ。 バターがたっぷりなのでリッチな味わいながら、食感はサクサクとして軽いのが魅力です。お菓子を作る技術の中でも、パイ生地作りは高度で、習得するには経 験と努力が必要です。溶けやすいバターを溶かさずに手早く折ならければならないので、修業時代には(特に夏場は)朝早く出勤して仕込んだものでした。もち ろん今でもパイ生地作りには神経を遣っていますよ。 
 お菓子に限らず、料理にもパイ生地を使ったものがたくさんあります。魚だったら、かの有名なポール・ボキューズ氏のスペシャリテ「スズキのパイ包み焼 き」とか、肉ならば、仔羊、フォワ・グラとトリュフ、ジビエの鳥類などいろいろな種類が使われます。今年の冬、adding:blueで提供しているお肉 のパイは、鹿ロースの塊と、ミンチにした豚肩ロース、フォワ・グラ、豚背脂、豚・鶏レバー、トリュフ、その他のキノコ、ホウレン草入り。鹿肉のあっさりと した赤身に対し、フォワ・グラや豚背脂などの脂身を加えバランスを取るのが美味しさの秘訣です。
 1人前ずつ包んで焼く方法もありますが、僕は20人前くらいの大きなサイズで作ります。完成後、ナイフを入れる瞬間、僕はドキドキワクワク。ジュワーっ とジューシーな肉汁といい匂いに、お客さんもウキウキ。1つの料理を切り分けて、みんなでわかち合うのって、本当に楽しいですよね。



星野 直寛 星野 直寛(ほしの なおひろ)
1971年生まれ、群馬県出身。
‘89年、高崎ビューホテルより料理の道に入る。
‘96年より坂井宏行氏の「ラ・ロシェル」を皮切りに都内のレストランで修業。
‘99年表参道「オン・ザ・スプーン」、’02年「ル・プチ・リュタン」などでシェフを務めた後、’08年に渡仏。クリスチャン・コンスタン氏の「ル・ヴィオロン・ダルグル」をはじめ、数々のレストランにて働く。
’10年11月よりadding:blueシェフに就任。
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