From Chef
香りと旨味を閉じ込めたリッチな味わい パイ包み焼き
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パイ包み焼き
 パイ生地(フイユータジュ)といえば、ミルフィーユを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。最近では、新年のお祝い菓子であるガレット・ デ・ロワもポピュラーになりつつありますね。粉の生地にバターの塊をのせて包み、のばしては折るという作業をくり返すことで、独特な層が形成されるパイ。 バターがたっぷりなのでリッチな味わいながら、食感はサクサクとして軽いのが魅力です。お菓子を作る技術の中でも、パイ生地作りは高度で、習得するには経 験と努力が必要です。溶けやすいバターを溶かさずに手早く折ならければならないので、修業時代には(特に夏場は)朝早く出勤して仕込んだものでした。もち ろん今でもパイ生地作りには神経を遣っていますよ。 
 お菓子に限らず、料理にもパイ生地を使ったものがたくさんあります。魚だったら、かの有名なポール・ボキューズ氏のスペシャリテ「スズキのパイ包み焼 き」とか、肉ならば、仔羊、フォワ・グラとトリュフ、ジビエの鳥類などいろいろな種類が使われます。今年の冬、adding:blueで提供しているお肉 のパイは、鹿ロースの塊と、ミンチにした豚肩ロース、フォワ・グラ、豚背脂、豚・鶏レバー、トリュフ、その他のキノコ、ホウレン草入り。鹿肉のあっさりと した赤身に対し、フォワ・グラや豚背脂などの脂身を加えバランスを取るのが美味しさの秘訣です。
 1人前ずつ包んで焼く方法もありますが、僕は20人前くらいの大きなサイズで作ります。完成後、ナイフを入れる瞬間、僕はドキドキワクワク。ジュワーっ とジューシーな肉汁といい匂いに、お客さんもウキウキ。1つの料理を切り分けて、みんなでわかち合うのって、本当に楽しいですよね。



長澤 宜久 長澤 宜久
1965年生まれ。
'91年に渡仏。二ツ星「ラ・マドレーヌ」、三ツ星「ラ・コートドール」他、数々の星つきレストランからブラッスリー 、カフェまで多くのフランス各地方の名店にて経験を積む。帰国後、'97年より国内のレストランでキャリアを重ね、2001年に港区 ・南青山の「アディング・ブルー」のシェフに就任。「特別の日に行くフランス料理店ではない、普段使いが出来る料理店」をコン セプトに素朴なフランス料理の数々に多くのファンが訪れている。2007年、千代田区・丸の内「resonance」グランシェフに就任。
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