From Chef
料理人の矜持として作り続けるフォア・グラのテリーヌ
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フォア・グラのテリーヌ
 お客様にリラックスして楽しんでいただくことが一番大切なので、形式的なことにこだわったり、声高に「これがフランス料理だ」などと言うつもりはまった くありません。が、僕自身の中で、基盤となるもの、守るべき技術というのは、やはりフランス料理であり、それを学んだ者として、時代が変わっても提供し続 けていくべきと思う定番料理が何品かあります。その1つがフォア・グラのテリーヌです。
 最近はフォア・グラというとポワレのほうがよく提供されていますよね。下ごしらえは不要で、なおかつ美味しいのですから、便利なメニューです。僕も好き で作りますが、フォア・グラのテリーヌの美味しさは別格。フランスのペリゴールで働いていた時には、その日の朝に取り出されたばかりの新鮮なフォア・グラを、毎日20kg分もテリーヌに仕込んでいました。それほど絶対に欠くことのできないメニューなのです。
 フォア・グラは鴨またはガチョウの肥大化させたレバー。丸ごとの状態で届くので、しばらく常温にもどしてから、中に通っている血管を掃除し、塩、こしょう、砂糖、ポルト酒、コニャックでマリネし、テリーヌ型に詰めます。素材の質を落とさないよう、作業は迅速かつきれいに行うことがポイント。そして湯煎の状態でオーブ ンで加熱し、冷まします。また、別の方法として、あたためた鴨の脂(グレス・ド・キャナール)の中に入れてコンフィにしたり、布で包んでゆでるというのもあります。
 つけ合わせは姫リンゴ以外にも、イチジクやプルーンなどもよく合います。そうそう、ブリオッシュも忘れずに。フルーツをテリーヌにちょっとつけて、ブリオッシュと共に口に入れてごらんなさい、ん~ この美味しさを感動と言わずして何を言うのでしょう。



長澤 宜久 長澤 宜久
1965年生まれ。
'91年に渡仏。二ツ星「ラ・マドレーヌ」、三ツ星「ラ・コートドール」他、数々の星つきレストランからブラッスリー 、カフェまで多くのフランス各地方の名店にて経験を積む。帰国後、'97年より国内のレストランでキャリアを重ね、2001年に港区 ・南青山の「アディング・ブルー」のシェフに就任。「特別の日に行くフランス料理店ではない、普段使いが出来る料理店」をコン セプトに素朴なフランス料理の数々に多くのファンが訪れている。2007年、千代田区・丸の内「resonance」グランシェフに就任。
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