From Chef
魚の旨味たっぷりのマルセイユ名物をソースに
« 優しい甘味、その上品な美味しさを堪能 | TOP | 20年前に出会った美味しさを今に伝える »


スープ・ド・ポワソン
南フランス・マルセイユの郷土料理、ブイヤベース。世界各地の漁港でも、それぞれの漁師料理があると思いますが、ブイヤベースほど世に知られた料理はないでしょう。その昔、港にもどった漁師たちが、アナゴ、ホウボウ、カサゴ、的鯛などの岩礁魚を大鍋で煮込んだのが起源といわれます。
 ブイヤベースを作るには、まずはスープ・ド・ポワソン(魚のスープ)を作らなければなりません。魚と香草野菜を炒め、白ワインを振り、鍋底についた旨味をこそぎ取ってまた炒め、という作業を数回くり返し、トマトペーストやサフラン、アニスの香りのお酒パスティスなどを水と共に加え煮込み、具を潰しながら漉して旨味を液体に出しきったものがスープ・ド・ポワソンです。ルイユと呼ばれるにんにく風味のマヨネーズのようなものやクルトンを添えれば、もうこれだけで立派な1品になります。が、ブイヤベースの場合は、このスープに、具となるいろいろな魚を加えて煮て、ようやく完成します。決して気取った料理じゃないけれど、かなり手間がかかる贅沢な料理なんですよね。
 僕はこのスープをさらに煮詰めてソースにし、油で揚げたカサゴと組み合わせてみました。つけ合わせは同じく南フランスの野菜料理、ラタトゥイユ。ラタトゥイユはオリーブオイルで各野菜を炒めるのが一般的ですが、僕はオイルを多くして揚げるのが好きです。どうしてかって? そのほうが美味しいからですよ!
 カサゴ、ソース、ラタトゥイユ、この3つのパーツを1つのココットに入れてオーブンで仕上げることが最大のポイント。野菜の甘味と魚介のソースの旨味がカサゴにしみ込んで、うーん、しみじみ旨いんだなあ。だまされたと思って、食べに来てください、決してソンはさせませんから。



長澤 宜久 長澤 宜久
1965年生まれ。
'91年に渡仏。二ツ星「ラ・マドレーヌ」、三ツ星「ラ・コートドール」他、数々の星つきレストランからブラッスリー 、カフェまで多くのフランス各地方の名店にて経験を積む。帰国後、'97年より国内のレストランでキャリアを重ね、2001年に港区 ・南青山の「アディング・ブルー」のシェフに就任。「特別の日に行くフランス料理店ではない、普段使いが出来る料理店」をコン セプトに素朴なフランス料理の数々に多くのファンが訪れている。2007年、千代田区・丸の内「resonance」グランシェフに就任。
BLUE 

NOTE TOKYOMOTION BLUE YOKOHAMACOTTON CLUBresonance(C) 

copyright BLUE NOTE JAPAN ,INC