From Chef
優しい甘味、その上品な美味しさを堪能
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アーティチョーク

地中海沿岸原産のアーティチョーク(フランス語でアルティショー、イタリア語はカルチョフィ)は、古代ギリシャ・ローマ時代から食され、フランスには16世紀、イタリアのカトリーヌ・ド・メディチが嫁入りの際に持ち込まれ、日本へは江戸時代に伝わり、朝鮮アザミの名で観賞用に育てられたそうです。利尿・抗酸化・健胃作用があり、最近ではその効果を期待してサプリメントの成分にも使われています。が、日本では未だ一般的ではなく、レストランならではの食材というイメージですよね。
  花のつぼみの中心の花芯部分と、周囲のガク状に囲んでいる苞を食べます。一番シンプルな食べ方は、ゆでてヴィネグレットで。苞は1枚ずつはずし、肉づきの良い根元部分を歯でしごくようにして食べます。優しい甘味とほんの少しのえぐみがありますが、上品な美味しさです。
  南仏での修業時代、アーティチョークのバリグールという料理をよく作りました。バリグールとは、元々、フォワ・グラやキノコなどを花芯に詰めた料理ですが、今は詰め物をせず、野菜やキノコと炒め合わせたものもそう呼びます。仕上げに少量のオレンジ果汁でととのえるのが南仏流。
  さて、このバリグールだけでももちろん充分に美味しいのですが、何かプラスしたいなと思い、僕の脳裏に浮かんだのが、鴨肉。オレンジと相性の良い素材だから。ペリゴール地方で学んだ、鴨肉のコンフィと豚足の生春巻き包み焼きを組み合わせてみました。(自分で言うのもなんですが)実にナイスな出会い!!です。
ちなみにこのバリグールでは、イタリア産のアーティチョーク2種と国産をミックスして使いました。シャガイモやソラ豆のようにホクホクとしたものもあれば、タケノコのようなシャリシャリとしたものもあり、その微妙な違いを感じていただけたら、と。とはいえ、マニアックになりすぎるのもいかがなものかと思いますので、あまり細かいことは気にせず、がっつり食べてください。



長澤 宜久 長澤 宜久
1965年生まれ。
'91年に渡仏。二ツ星「ラ・マドレーヌ」、三ツ星「ラ・コートドール」他、数々の星つきレストランからブラッスリー 、カフェまで多くのフランス各地方の名店にて経験を積む。帰国後、'97年より国内のレストランでキャリアを重ね、2001年に港区 ・南青山の「アディング・ブルー」のシェフに就任。「特別の日に行くフランス料理店ではない、普段使いが出来る料理店」をコン セプトに素朴なフランス料理の数々に多くのファンが訪れている。2007年、千代田区・丸の内「resonance」グランシェフに就任。
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